ニセ医者の話④

 さぁ、決戦の土曜日はやってきました。

 

午後お茶をするため、喫茶店へ行きました。

相変わらず、行くのはちょっと高級感のある喫茶店

 

③でお話ししたように、私のミッションは以下の通りです。

その結果を1つずつご報告します。 

 

1.(念のため)病院名をもう一度確認する。

 ⇒私の記憶違いではなかった。

2.診療科ごとの専門医を取っているか?を確認する。

 ⇒専門医は取ろうとしているが、まだ取ってない。

3.専門医を取っていない場合は、どのように取るか、試験はいつかを知っているか?を確認する。

 ⇒Yさんの診療科に関連する専門医の取り方や時期と若干違う。

4.最近どんな学会に行ったか?を確認する。

 ⇒最近忙しくて行けてないとのこと。

 

また、話の中で気になったのが、

彼の話す医局メンバーの話(教授とか)が、

Yさんの名前でネットでヒットした医師の所属する医局の構成と全く一緒。

教授の肩書とかがちょっと特殊だったんですが、それが一致してるし、人数も一致…。

 

というか、1の病院名を再確認できた時点で、

彼が嘘をついていることは明白でした。

こいつは医者じゃない。または医者であってもすごく嘘をついている。

だから何回も言ってるじゃないかって?

ごもっともです。 

 

ただそこが100%確定すると、今私は誰と話しているんだろうという恐怖がでてきました。

ここにきてやっとです。遅いって。

 

名前がわからない人と話すってすごく怖いことなんだなぁと初めて知りました。

 

ワンピースとか進撃の巨人とかで、本当の名前とかが凄くキーになってたりするじゃないですか。王族だから…とか、「モンキー・D」がつくということは…みたいな。本当の名前が重要になるのはマンガだからあることだと思っていたんです。

名前の意味なんて、その人をあらわす単なる記号という意味としてとらえていました。

でもそれ以上の、社会的な存在証明、信用、信頼という意味があったんですね。そうじゃなきゃ戸籍の意味もないか。

そんなこと、実感したことなかったです。

なんて世間知らず。

これまで、目の前にいる人の名前の信憑性を考える必要がないような、安全なところで生きてきたことを実感。

 

私は得体の知れない人と、さも親しげに世間話をして笑っていました・・・。

この時間は一体何なんだろうと思いました・・・。

 

2時間くらいたって、その後で予定があるということでお店を出ました。

 

駅までの帰り道、Yさんは私に告ってきました。

「キムタエさんのことが好きです」

 

うわ・・・でた・・・。

相手が何を考えているかわからない時って、相手の目を見てしまいますね。

何も読めませんでしたが。笑

こいつ、何考えてるんだろう・・・

うまいことはめたな、と思ってるんだろうな・・・

信じ切って、いいカモだな、とか思ってるのかな・・・

 

ただ、ここで疑念の話をすると、このご時世何があるかわからない。

その場で刺されなかったとしても、家を尾行されかねない。

直接言うということはかなりのリスクを負うため、知らないふりをして帰ることにしました。

「生きて帰る」が目標だったので。

 

私「急でびっくりしました」

と、一応言ってみる。

 

Yさん「そうですよね、びっくりさせてすみません。すごい緊張しちゃいました。でもこれからも一緒にご飯とかいけたらなと思います。」

 

私「そうですね。ぜひまたご飯行きましょう。」

という無難な対応で、Yさんとバイバイしました。

 

 

そして、家に帰ってから、LINEで突き止めることにしました。

やはり身の安全が第一です。

 

向こうからお礼のメッセージが届きました。

そこで、

私「すみません、Yさんは、○○病院(言っていた病院)ですか。△△病院(ネットでYさんの名前でひっとした病院)ではないですか。」

と聞きました。

 

Yさん「○○病院ですよ。なんでですか。」

 

キムタエ「すみません、HPに名前が出てなかったので・・・」

 

すると、

Yさん「後期研修医は名前が載らないんですよ」

 

嘘つけ。病院に電話していないって言われたっちゅーの。

 

ここで、Yさんは情に訴えてきました。

 

Yさん「信じてくれないなんて悲しいです。キムタエさんはぼくのことどう思ってるんですか。」

 

突っ込まれたくない話から、情に話を移す作戦がみえみえ。

いくら私でもわかるっつーの!

 情に訴えて話をそらそうとしてもそうはいかねぇ。

遂に核心にせまりました。

 

私「これからもっと深くお互いを知っていけたらいいなと思っていました。」

 

Yさん「ぼくもそう思っています」

 

 私「ただ、私も信じたいんですが、実は○○病院には電話をしてYという名前の医師はいないと言われたんです。それで、厚生労働省の医師等資格検索確認検索サイトで調べたところ、これは後期研修医も出てくると思うんですが、Yさんの名前は一人しか出てこなくて。その名前でネットで検索したら、△△病院しかでてこないんです。色々調べてしまってすみません。」

 

この時点で、私は△△病院の医師であるという可能性もまだ捨てきれずにいました。

おいっ!!!笑

あんなに専門知識あったし、病院のエピソードもリアルだったし・・・

純粋な心を持っているんです、私。

今時貴重ですよね♪

こんな純粋バカのために厚生労働省の医師等資格検索確認検索サイトがあるんですね!!

ありがとう!厚生労働省!!

 

そして、だいぶ時間がたってから返信がきました。

 

Yさん「ニセ医者ですね。わかりました。の婚活パーティはもう退会します。」

 

・・・・。

 

これ、私まだニセ医者じゃない可能性持ってたのに、

ニセ医者って向こうが自分で言っちゃったんじゃん・・・・?

 

なんかよくわからんが、多分私暴いた・・・?

 

私はここで、もう返信をやめました。目的聞いても意味ないので。

 

こいつの本当の目的は気になりましたが、

婚活パーティでニセ医者を名乗る人の目的は、2通り。

・結婚詐欺をしてお金をだましとる

・医者というとモテるから遊びたい。

 

この人は、実在する医者の同姓同名を名乗り、しかも、その同姓同名の医師の所属する医局のことまで調べていたので、多分、前者の詐欺目的でしょう。

 

ここまできて、最後の目的の部分が憶測かよ!!!!!

とつっこみたくなりますよね。

すみません。

 

だって、怖かったんだもん!!!

これ以上プロの詐欺師っぽい人とかかわりたくなかったんだもん!!!

 

しかし、こんなちょと調べればわかるような詰めの甘さで騙される人なんているのか???と本当に疑問でした。

でも中にはいるんですよね、きっと。

 

みなさん、婚活中は疑う心も大事なようです!!

そしてちょっとでも疑問に思ったらすぐに調べましょう!!!

厚生労働省は私たちの味方です!!!

 

結局、この30代前半という貴重な時に、人生においてしなくてもいいことに時間と頭を使い、ニセ医者暴いてやったぜ!!!という話でした。

※因みに、イラッとしたので、出会いのきっかけだった婚活パーティの運営会社に通報しました。